cuemol2/Anim_RenderMovieCueMol: Molecular Visualization Framework |
アニメーションのレンダリングと動画ファイル作成このセクションでは,POV-Rayを使用したアニメーションの画像ファイルへのレンダリングと, FFmpegを利用したquicktimeやAVI等の動画ファイル作成の方法を, 例を挙げながら説明します. (例で説明している作業は,前セクションの続きの操作として説明しています) POV-Rayによるレンダリング静止画の場合と同様に,POV-Rayを使用してアニメーションの各フレームを画像ファイルにレンダリングすることが可能です. メニュー「Render」→「Animation rendering」を実行すると, 以下のようなAnimation renderingダイアログが表示されます. 上図のようにタブに対応して主に3種類の設定項目がありますが,順に説明します. RenderingのMain option文字通りメインの設定オプションです.
例では以下のように指定します.
Render options主にPOV-Rayに関する設定を行います.
例では以下のように指定します.
Movie options主に動画をエンコードするFFmpegに関する設定を行います.
例では以下のように指定しています.
レンダリングの実行以上の設定をすべて行った後,Startボタンを押すとレンダリングが開始されます. アニメーションの長さとframe rateにもよりますが,非常に大量の画像がレンダリングされるため結構時間がかかります. Stopボタンを押すことで,レンダリングを中断することが可能です. 出力されるファイルProgressが100%になり,Logに"All tasks done"と表示され, Start, Closeボタンが有効になると,レンダリングの終了です. 終了すると,output dirに大量のPNGファイルと(動画エンコードがONになっている場合は動画ファイル)が出来上がります. (動画エンコードがONになっている場合でも,途中経過であるPNGファイルは削除されずに残っているため, PNGファイルを入力として用いることができる動画ソフトを用いたエンコードも可能です.) 以上のオプションでエンコードした動画が以下になります. ただし,youtubeで画質が低下するため,もとの動画はもっと高画質です. PowerPointやiPadなどでの使用のための再エンコーディング上記の方法で動画まで一気に作成できますが, レンダリングのステップまでOKでも,動画のエンコードの部分がうまくいかない(あるいはエンコードを変更したい)場合に,再度,動画のエンコーディングのみやり直したい場合があるかもしれません. CueMolのGUIだけでは,動画のエンコーディングのみやり直すばあいでも, レンダリングからやり直すしか方法がありませんが, 以下のようにコマンドラインや他のソフトを用いることでエンコーディングのみ行うことが出来ます. FFmpegを用いてCueMolとともにインストールされているFFmpegを用いて,output dirに作成されたPNGファイルを再エンコード可能です. まず,前回エンコード時のlog windowの最後の方に出ているFFmpegのコマンドライン引数を探し, それをコピーしておきます(Windowsの場合はCtrl+C,Macの場合はCommand+C). Windowsの場合は,コマンドプロンプトを開き, > (CueMolインストールディレクトリ)\ffmpeg\bin\ffmpeg.exe (Logのコマンドライン引数) CueMolインストールディレクトリは,たとえば,C:\Program Files (x86)\CueMol 2.0等です. (Logのコマンドライン引数)は,上記でコピーしたコマンドライン引数をペーストしたものです. ただし,これを実行しても再度同じ動画が作成されるだけなので,たとえば-c:v引数でエンコードを変えるなどして実行してください.詳しい引数の説明は,FFmpegのサイトなどを参考にしてください. Handbrakeを用いる方法一方で,FFmpegを用いてパラメータをいろいろ変えてエンコードし直しても, 上記の手順で作成した動画ファイルは,PowerPointに埋め込んで使用すると,
などの問題が起こる可能性があります. また,iPad等のmobile deviceでは正常に見られない可能性があります. これらを回避するには,Handbrakeというソフトで動画を再エンコードするのがお勧めです. まず,CueMolで動画をエンコードする時点で劣化しないように,QuickTime/Raw encodeを使用します.(raw encodeでエンコードした場合はWindowsのmedia player等で見られないが問題はない) その後,Handbrakeを起動し,ツールバーの「Source」→「Video File (Ctrl-O)」を実行すると,ファイルを開くダイアログが出てくるので,そこで上記で作成したQuickTime (*.mov)ファイルを選択し,開きます. 次に,「Destination:」の部分に,出力ファイル名を指定します.その右にある「Browse」ボタンを押すとファイルを保存するダイアログが出てくるので,希望するファイル名(拡張子はmp4やm4vになる)を指定します. PowerPoint用に設定次に,右のPresetsパネルで,「Devices」の下にある「iPod」という項目を指定します. 次に,左半分の下側にあるタブパネルから,「Picture」を選びます.iPodにすると勝手に画像サイズがiPod用のサイズになってしまいますが,ここではiPod用に作成するわけではないので,元の動画の画面サイズ(縦x横ピクセル数)に戻します. (Keep aspect ratioチェックをonにしておくと,誤って縦横比を変えてしまうことを防げます) 注意:MacOS版はUIが異なりPicture tabがありませんが、同等の設定をメニュー「Window」→「Picture Settings」で表示されるPicture settings windowから行うことが出来ます。 次に,「Video」タブに移り,「Avg Bitrate (kbps)」の値を必要に応じて変更します.デフォルトは700 kbpsですが,大きくすると画質は向上しファイルサイズが大きくなります. 他のdevice用に設定右のPresetsパネルで対応するデバイスを選んで,適宜Pictureのところにあるサイズや,Videoのところにあるbitrateを変更してください. 再エンコードする以上の設定を行ったうえで,ツールバーの「Start」ボタンを押すと,エンコードが開始され,ファイルが出来上がります. 以上のように,Handbrakeは入力としてPNGファイルを使用できないので,なるべく劣化しないようにCueMol(FFmpeg)でエンコードしてさらにHandbrakeでエンコードする,という手順をとっています. Handbrakeの使用法は,googleなどで検索すると出てくると思いますので,詳しく知りたい方はそちらの方も参考にしてください. |